日语综合辅导:古都

如题所述

第1个回答  2023-02-25
古都」はなんとも心地よい、优しい感じのする物语である。

それは、全编を通して流れる京都弁の、穏やかな响きが大きいだろう(川端氏の意志で、あえて、京都弁ではないままに残した部分もある)。そして又、京都の风物や四季の移り変わりも、勿论そういった雰囲気を盛り上げている。だが、何よりも、北山杉の村の澄んだ空気感を背景に生きる苗子と、中京の呉服问屋に拾われて育った千重子姉妹の娘らしい心の描写が、物语の优しさを决定づけているのではないだろうか。

同じ京都を舞台に描かれた「美しさと哀しみと」に比べても、遥かに静かでたおやかな时间の流れ方である。

姉妹の过去に広がる背景の重さも、决してやりきれなさに通じる事なく、そこにあやどられる淡い恋爱感情もあって、静かな柔らかさを助长している。

そしてこの物语の特徴のひとつは、それまで知られていた、神社仏阁の散在する京都市街ではなく、外れにある北山杉の村を舞台とした事だろう。

この场所は「京都」という、华やかだがしかし、尚かつ日本人の心のふるさとたる静粛な场所を後ろ楯に、一层辉きを増している。

1996 年12月の初め、京都に初雪の降った翌日、私は京都駅からタクシーをチャーターして、北山杉の村(勿论今は村ではない)へ向かった。そして约一时间半、バス停を目印にその场所を探すと、写真や映画で见たままの景色がそこにはあった。道路沿いの川向こう、桥を架けた先に、杉丸太を磨く家々の并んだ场所である。

「停めて下さい。」思わず言ったが、道幅は狭く、道に车を停めると、明らかに通行の邪魔になる。运転手は杉丸太の家に架かる桥の上に远虑がちに车を乗り上げた。しかし、この辺りの人达は优しく、运転手が「古都」の舞台を见たいという客を乗せて来た事を话すと、「そういう事なら、もっと奥迄入り」と言ってくれた。

私は安心してタクシーを离れた。せめて杉林の中に入ってみたい。道路を渡って山の上へ向かっていく石段を上ると、そこはまだ昨夜降った雪が足迹もつかないままだった。雪に舞い落とされたらしい红叶の叶が散在している。思わず特に鲜やかな朱と黄の叶を选んで手帐に挟む。流石に杉林の奥迄はたどりつけない。けれど、私はその外れに立って、真直ぐな杉の群れを见上げていた。

ふと、足元を见ると、日阴に灯りを灯した様に、南天の実が绯色に揺れていた。杉林の中の苗子である様な気がして、思わずシャッターを切った。

杉山を降りると、川向こうの家の中で、年配の女性が独り、丸太を磨いているのがみえた。仕事场の中まで入り込んで、写真を撮らせてもらう。彼女は快く许してくれた。本当にこの辺りの人は优しい。磨きは一部机械化されているのに、少しがっかりもしたが、おそらくは年々减る职人と、それに伴って高年齢化する労働者の过酷な労働を軽减する为には、他に选択肢の无い道だろう。「大変な仕事だからね。」彼女の言叶に、私はこの杉山の行く末を思わずにはいられなかった。

この优しい场所に、头を下げて别れを告げた。タクシーで更に北へ向かう。その先には北山杉を後世にも残す为の、北山杉资料馆があり、そこには川端康成の书いた「古都抄」の碑と、千重子、苗子の像があるのだ。

杉丸太を磨く家々のある场所から、北山杉资料馆迄はわずかな距离なのに、その间にも、晴天だった空には云が広がり、细かな雨も降りだした。时折ちらちらと雪も混じっている。

「周山の方から北山しぐれが来ましたんやろ。山の上の杉も……。」

苗子の声が闻こえた様な気がした。

降っているのかいないのか、烟る様な杉山の中、资料馆でタクシーを降りると、真っ先に川端康成の文学碑へと向かった。

文学碑への道には、ここにも雪に舞い落とされたらしい红叶が、まるで敷き诘められた様に地面を覆い隠して広がり、うっすらと白粉を散らした様に雪化粧されていた。それはあたかも、美しい反物の様で、その光景に中京の呉服问屋で育てられた千重子が、ふと头に浮かんだ。

真っすぐな杉を背景に建つ姉妹の像と、文学碑は、心なしか寂し気に见えた。

「古都」の物语は、别々の环境で育った姉妹が千重子の家で一夜を共にし、ちらちらと雪の舞う朝、别れて行く所で终わる。姉妹としての幸福な一夜を抱いて、苗子は北山杉の村へ帰ってゆく。

优しい物语のまま终わるのである。

川端康成は、「古都の続きは书きたいが、书けばこの姉妹は不幸になって行く様な気がする」という様な事を语っている。

北山杉资料馆を後にして京都市街へ戻るが、このまま駅へ向かってしまうのは惜しい気がしていた。

「清水さんへ行って下さい。」

そこは、千重子が初めて真一に自分が舍子である事を打ち明けた场所なのだった。
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